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検査について

  • 乳がん検査マンモグラフィと乳房超音波(エコー)検査はどちらがいいですか?
    恥ずかしいので視触診は併用しなくてもいいですか?
    検査方法が違いますのでどちらが優れた検査という判断はできませんが、40歳未満の方は乳房超音波検査・40歳以上の方はマンモグラフィ検査をお勧めします。
    視触診も皮膚のツレ・変色・しこりの有無の発見・乳頭分泌液の有無の確認の為、併用して受診した方が乳がん検査の精度があがります。
  • マンモグラフィはどんな検査ですか?
    マンモグラフィは乳房専用のレントゲン撮影です。プラスチックの板で乳房を挟み、なるべく薄く引き延ばして撮影します。小さなしこりや、しこりを作らず石灰化というカルシウムの沈着を起こしている微少な乳がんの発見に有効です。また、マンモグラフィは乳がんの死亡率を減少させる効果があることが科学的に検証されている検査法です。
  • 超音波(エコー)検査はどんな検査ですか?
    超音波検査は乳房に超音波を当て、組織からの反射をとらえて画像にして乳房の状態を断層像で診ることができる検査法です。しこりの内部構造をみることができ、乳腺の密な若い人の診断に有効です。妊娠中でも行うことができます。
  • 超音波(エコー)と、マンモグラフィはどちらが有効ですか?
    マンモグラフィは乳腺が密な若い人の場合はしこりを見つけることが難しい場合があります。一方、超音波はマンモグラフィに比べると石灰化の診断は困難です。どちらの検査にも優れた点があり、互いに補い合ってより精度の高い検査が可能になります。何らかの症状がある場合は精密検査として両方の検査を行うことをおすすめします。
  • マンモグラフィによるX線被爆量はどの程度ですか?
    アメリカ放射線専門委員会では1方向あたり吸収線量で3mGy以下という勧告を出しています。最近の技術では1~2mGy以下で撮影可能で、実効線量では0.05~0.15mSvの被曝があると言われています。ちなみに胸部X線撮影では0.1~0.3mSv、胃透視で4.1mSvとのデーターがあります。年間の自然被曝線量が約2.40mSvと言われていますので確率的影響は生じない量だと思われます。
  • なぜ乳がん検診にマンモグラフィが使われるのですか?
    日本ではほとんどの乳がんはしこりとして発見されます。マンモグラフィはしこりをつくる前の超早期の乳がんを見つけることができます。この段階で乳がんを治療すればほぼ100%治癒します。欧米ではマンモグラフィ検診の普及に伴い乳がんの死亡率が減少しています。増え続ける日本の乳がん死亡を減らすためにはマンモグラフィ検診の普及がぜひとも必要です。
  • 痛いと聞くのですが圧迫するのは何故なのですか?
    乳腺の中にある微妙な病変の描出のため、また被曝量を少しでも減らすためにマンモグラフィでは乳房の圧迫が必要になります。
    よい写真を撮るためにこれだけは我慢してください。
  • マンモグラフィーと乳腺超音波検査は毎年受けなければいけませんか?
    全く所見の無いかたは、2年に一回でも、毎年受診した場合とほぼ同様の有効性が示されています。
  • 20代、30代ではどんな検査をすればいいですか?
    一般的には医師による視触診に加え、マンモグラフィと超音波検査両方を行うのがベストです。しかし20代、30代の若年の方に関しては、超音波検査をお勧めします。
  • 授乳中ですが、出来ない検査はありますか?
    授乳中は乳腺が発達しており、圧迫による痛みも強いため、マンモグラフィー検査はお受けしておりません。
  • 手術を受けて(豊胸術など美容形成術含む)、体内に医療器具を装着しています。
    受診できない検査はありますか?
    必ず主治医または手術を受けられた病院へ人間ドック受診(希望するオプション検査も含めて)の可否をお問い合わせください。確認ができていない場合、健診当日すべての検査を受けられない場合がございます。
  • 乳癌が心配。どこにかかればいいの?
    ・受診は外科(乳腺外来)へ
    乳がんは女性に多い病気のため「婦人科を受診」と思いがち。しかし実際は、外科(乳腺外来)で検診・診療を行う場合が多いのです。
    ・2005年1月からは、乳腺専門医が正式に公表されることになりました。 乳腺専門医のいる施設、または日本乳癌学会の認定施設にかかりましょう。
  • 乳癌の疑いがあると、どんな検査をするの?
    • 視・触診:良・悪性の鑑別、腫瘍の拡がり
    • マンモグラフィ:良・悪性の鑑別、腫瘍の拡がり、乳管内進展
    • エコー:良・悪性の鑑別、腫瘍の拡がり、乳管内進展
    • 穿刺吸引細胞診(ABC):良・悪性の鑑別、組織型の推定
    • 針生検(CNB):良・悪性の鑑別、組織型の決定
    • 生検:良・悪性の鑑別、組織型の決定、ホルモン・レセプター
  • 乳頭分泌があるとどんな検査をするの?
    • マンモグラフィ:腫瘤、微細石灰化像
    • 乳腺エコー:乳管拡張、石灰化
    • 乳頭分泌CEA:癌の推定
    • 乳頭分泌細胞診:癌の鑑別
    • 乳管造影:癌の鑑別、局在診断
    • 乳管内視鏡:癌の鑑別、局在診断、直視下生検
  • 乳癌の診断がついたらどんな検査をするの?
    • 胸・腹部CT:局所、リンパ節転移、遠隔転移
    • 骨シンチグラム:骨転移
    • 腫瘍マーカー:CEA,TPA,CA15-3,NCC-ST-439
    • 胸部単純X線:肺・胸膜転移
    • 全身骨X線:骨転移
  • 乳がんの定期検診はどの科を受診したらよいのでしょうか。
    乳がんは女性特有の病気のため“婦人科を受診する”と思っている方が意外と多いようですが、 現在、日本で乳がんを主に担当しているのは外科です。ただ、外科の中でも乳腺はやや特殊な領域であり、受診されるのなら乳腺外科の専門医のいる所が最もよいでしょう。外科以外では、婦人科や放射線科などでも診療を行っている施設があります。現在、日本乳癌学会のホームページでは、乳腺専門医の氏名、所属施設などが公表されていますので、それを参考にすればよいと思います。マンモグラフィや超音波を使った画像診断を定期的に受けることで乳がんの早期発見率は飛躍的に高まります。40歳を過ぎたら、1年に1回は画像診断による検診を受けましょう。
  • 乳房の自己触診法について
    乳房の自己触診は乳房の張りが少なくなる月経終了1週目ごろ、入浴時に行うのがよいでしょう。体に石鹸をつけ、洗顔の要領で指をそろえ乳房をまんべんなく、肋骨を感じるような強さで撫でます。このとき必ず右の乳房は左手で、左の乳房は右手で調べます。すべらした指に何かひっかかる感じがしたら、要注意です。ただし、この方法は、大きな乳房の人には、判りにくいかもしれません。そういう人は検診する方の腕を挙げるか、湯船に浸かりながら行ってください。石鹸を流したら、鏡に向かって両手を挙げ、えくぼがないか、皮膚の色が変化していないか、乳首が横を向いていないかなどを確かます。最後に、乳首を指でチュッとしぼり、分泌液がないかを確認すれば終了です。もし、なにか気になることがあれば、早めに専門病院で検査を受けてください。
  • 細胞診はどんな検査ですか?
    超音波検査でしこりを確認しながら、採血に使う細い針でしこりの細胞を取り出します。それを顕微鏡で調べます。細胞は良性、擬陽性、悪性という結果で判定されます。クリニックでは判定までに約1週間ほど時間をいただきます。
  • 組織診(針生検)はどんな検査ですか?
    細胞診よりも太い針でしこりから組織を小さな固まりで採取し、顕微鏡で調べる検査です。細胞診より情報量が多くなります。局所麻酔を使い、皮膚に4mm程の小さな切開を行い、針を刺します。検査時間は15分ほどです。判定には約1週間ほどかかります。

手術について

  • 乳房温存療法はどんなときに出来るの?
    • 腫瘤の大きさが3.0cm以下
    • 各種の画像診断で広範な乳管内進展を示す所見がない
    • 多発病巣がない
    • 放射線照射が可能(以下の症例を除外)
      重篤な膠原病の合併症
      同側胸部の既往照射
      患者が照射を希望しない
    • 患者が乳房温存療法を希望する
  • 乳癌の手術は腋窩リンパ節も一緒に切除するの?
    • 乳癌は腋窩(脇の下)のリンパ節に転移を起こしやすい癌です。
      (乳癌の約30%が腋窩リンパ節に転移をしています)
    • 腋窩リンパ節の転移は、切除してみないと正確に診断できませんでした。
  • 腋窩リンパ節を切除するとどんな合併症が起きる?
    • 腕のむくみ
    • 肩関節の機能障害(腕が上がらなくなる)
    • 上腕の感覚障害(腕の感覚がなくなる)
    • リンパ液貯留
    • 腕が感染を起こして腫れやすくなる
    • 肩・腕の痛みやだるさ
  • センチネル・リンパ節生検って何?
    • 乳癌は腋窩リンパ節に転移するときに、まず最初に特定のリンパ節に転移します。
    • このリンパ節をセンチネル・リンパ節といいます。
    • センチネル・リンパ節に転移がなければ、他のリンパ節にも転移はありません。
    • センチネル・リンパ節を見つけて摘出し、手術中に素早く顕微鏡で転移がないか検査します。
    • 転移がなければ今までのような、腋窩リンパ節を切除する手術は省略します。
    • 術前検査で転移がない、早期の乳癌が対象になります。(早期発見が大切)

乳がんについて

  • 乳がんにはどのような症状がありますか?
    注意すべき症状としては、しこりがある、乳房にひきつれやくぼみがある、乳頭から分泌物が出る、乳頭にただれや変形がある、脇の下にしこりがある、などがあげられます。乳がんを自分で見つけるきっかけの多くは『しこり』です。触ってもわかりにくい、と感じる方も多いと思います。是非ちゃんと検査を受けて、心配ないとわかっている状態のご自分の乳房を手で触ってよく確認してください。また、分泌物については、乳がんの症状である分泌の多くは、一カ所の穴から血液の混じった茶色や赤い分泌物が出ます。一方、授乳が終わってから長年にわたって少しずつミルクが出ることもあります。いずれの症状も、気がついたら自己判断せず、乳腺外科にご相談ください。
  • しこりが見つかったら、次にどのような検査を受けるのですか?
    マンモグラフィや超音波検査でしこりなどの異常が見つかっても、それが必ずしも乳がんであるとは限りません。治療の必要のない、良性のしこりの可能性もあります。診断のためには疑わしい部位の細胞や組織を一部採取して顕微鏡で調べる細胞診や組織診(針生検)などの検査が必要です。コスモスクリニックでは診断に必要な細胞診、組織診を随時行っております。
  • 乳がんを予防することはできますか?
    現在は乳がんを防ぐ確実な方法はまだわかっていません。しかし、乳がんにかかった方と、そうでない方の生活習慣や環境因子を比較研究した結果では、乳がんのリスク因子がいくつかあげられています。食生活に関しては、アルコール、喫煙、脂肪の過摂取は乳がんのリスクを上げる可能性があるといわれています。逆に、大豆やとうふなどのイソフラボンを含む食品を食事に取り入れて摂取することは乳がんのリスクを減少させる可能性があります。ただし、サプリメントなどを大量に服用することは癌予防の観点からは推奨できないとされています。
  • 良性のしこりにはどのようなものがありますか?
    良性のしこりの代表的なものをご説明します。
    *線維腺腫
    10~30歳代の若年の女性に好発する良性のしこり(腫瘍)です。乳がんと比べれば軟らかく、弾力性に富むことが多いといわれていますが、厳密には触診だけで区別することは困難です。美容上問題なければ原則的には経過観察のみ行います。
    *乳管内乳頭腫
    乳管(ミルクを運ぶ管)の中にできる良性のしこりです。血性の分泌物で発症したり、しこりがふれることもあります。慎重な経過観察が必要です。
    *葉状腫瘍
    楕円形のやわらかい腫瘍で、月単位で比較的速く大きくなることが特徴です。検査の所見はいずれも線維腺腫とよく似ています。診断は病理組織検査(切除または針生検)が必要です。治療は腫瘤の切除を行います。 *乳腺症については次の項。
  • 乳腺症は病気ですか?
    乳腺症は、乳腺が女性ホルモンの影響を受けて変化している間に、乳腺内に増殖をしている部分と萎縮、線維化している部分が混在するようになり、大小さまざまの硬結(しこり)を触れるようになったものです。生理的変化と考えられ、本来は病気ではありません。30代後半から閉経期にかけて、乳房の痛みやしこり、乳頭分泌など多様な症状であらわれます。乳がんとの区別が重要です。乳腺症の症状が最も強いのは、月経直前です。
  • 乳腺症と乳腺炎の違いは、どのようなものですか?
    乳腺症は20~40代のホルモン分泌が活発な女性に見られる良性症状で、乳房にしこりや痛みが見られます。ただし乳がんとの鑑別が必要ですので触診だけでなく、マンモグラフィ検査や超音波検査をお勧めします。乳腺炎には授乳期に乳汁が乳管内にたまって炎症を起こし、乳房が腫れて硬くなり痛みを伴う「うっ滞性乳腺炎」や、これに細菌が感染してさらに強い痛みや高熱が出る「化膿性乳腺炎」があります。また授乳経験がなくても乳腺から細菌が入って炎症を起こすこともあります。いずれも症状が長引く場合には炎症性乳がんとの鑑別が必要ですので、詳しい検査を受けてください。
  • どうして乳がん検診をうけないといけないの?
    日本人女性の15人に1人が乳がんにかかります。乳がんは30~40代という妻として、母として、一生の中で大事な時期に最も多いがんです。しかし、早く見つかれば完治が期待できる病気でもあります。
  • もし乳がんがみつかったら…
    乳房にはがんのほか、さまざまな良性の病気があります。慎重な検査の結果、乳がんが判明すれば、ご相談のうえ、信頼のおける医療機関をご紹介します。
  • 治療法は手術だけ?
    乳がんの治療は手術が基本になりますが、病気の状態に応じてホルモン療法、抗がん剤や放射線治療も選択されます。
  • 乳房は残せるの?
    最近の外科手術では、切り取る範囲はできるだけ小さくなるように努力しています。やむなく大きくとる場合は、乳房を元の形に近くなるような形成術も加えるようになってきています。
  • 転移が見つかったら?
    乳がんは大きくなれば他の臓器に転移する可能性が増します。
    もっとも多い転移先は肝臓、骨、肺、脳です。
    特に肝臓、肺、脳は生きていくために重要な臓器であるため、これらへの転移は生命にかかわることになります。
    外科医だけでなく内科、放射線科など多くの診療科が全力で治療に当たります。
  • 乳がんとはどんなものですか?
    乳がんは、乳腺(おもに乳管)にできる癌で、日本人女性約25人に1人が乳がんにかかるといわれています。近年、生活スタイルや食生活の変化で乳がんは増加しており、それに伴い乳がんによる死亡率も増加しています。そのために、早期発見、早期治療がますます重要となっています。検査としては、マンモグラフィー、超音波検査、細胞診、針生検などがあります。何か異常があると思われたら、自己判断せずに受診されることをお勧めします。
  • どんな人が乳がんになりやすいのですか?
    乳がん患者は、あらゆる年齢に発生しますが40歳以上で急に増加します。また、出産・授乳の経験がない、初産が高年齢、初潮が早く閉経がおそい(ホルモンにさらされる期間が長い)、肥満、乳がんの家族歴(母、姉妹)のある人が乳がんになりやすいといわれています。
  • 乳がんの症状にはどんなものがありますか?
    代表的なものは、乳房のしこり(腫瘤)です。その他にも、乳房皮膚のくぼみ、乳頭の変形、陥凹、乳頭からの異常分泌(血性)などがあります。痛みに関しては、乳がん自体が痛むことはまれですが、乳房に痛みを感じることはあります。
  • 乳がん検診はどんなことをするのですか?
    現在の乳がん検診は、40歳以上の方は、2年に1回のマンモグラフィー検査と視触診による検診が原則となっています。しかし、マンモグラフィー検診の実際の対応は自治体により異なっており、1方向のところと2方向のところがあり料金もまちまちです。また、マンモグラフィーで乳がんが100%診断できるわけではなく、可能であれば超音波検査を同時に行うことが望ましいと思われます。乳がん検診は、乳腺専門医のいる施設で受診されることをお勧めします。
  • 細胞診とはなんですか?
    細い注射針を腫瘍に刺して、なかの細胞を吸引して顕微鏡で調べる検査です。当クリニックでは、超音波で腫瘍を刺している針の場所を確認しながら行います。痛みも少なく、傷も残りませんし、当日の入浴も可能です。
  • 乳腺症とはなんですか?
    乳腺症は、基本的に増殖性のものでホルモンのアンバランスによっておこり、20~40歳代に多くみられます。乳腺症は病気ではなく症状の名前で、痛みやしこり、乳頭異常分泌などがみられます。乳腺症は、乳がんと非常にまぎらわしいことがあり、診断がむつかしいこともあります。また、一部の乳腺症は、乳がんになりやすいといわれています。
  • 線維腺腫とはなんですか?
    もっとも多い乳腺の良性腫瘍で、20~30歳代に多くみられます。超音波で診断されることが多いのですが、乳がんではないと顕微鏡的に確かめておく必要があります。以前は、小さいものでも手術でしこりをとっていましたが、現在では超音波で定期的に観察し様子を見ることが多くなっています。
  • 乳がんの治療はどんなものがあるのですか?
    手術療法、薬物療法、放射線療法があります。乳がんは全身病と考えられているので、手術をしたあとも全身の治療である薬物療法をおこないます。薬物療法には、化学療法、ホルモン療法、抗体療法などがあります。最近は、手術の前にまず薬物療法を行うこともあります。
  • 乳がんの化学療法はどんなものですか?
    抗がん剤を用いた治療で、手術前にする術前化学療法、手術後の補助療法、再発に対する化学療法があります。副作用は、白血球減少、脱毛、悪心、嘔吐、下痢などがありますが、現在では副作用に対する支持療法がすすんできているので、以前より安全に治療をうけることができるようになりました。化学療法の多くは、入院せずに外来のみで可能です。当クリニックでは、化学療法専用ベッドを備えており、安心して治療をうけていただくことができます。
  • 乳癌は遺伝するのでしょうか?
    遺伝性の乳癌もありますが、乳癌全体の5%以下と頻度的には多くありません。ただ血縁に乳癌の方がおられると、乳癌の発症リスクは高くなります。これは遺伝によるものよりは食生活をはじめとする生活習慣が関係しているものと思われます。いずれにせよ30歳以上の女性は定期的に乳がん検診をお勧めします。血縁に乳癌の方がおられる場合は、より注意をして自己検診およびマンモグラフィ検診を受けるようにしてください。
  • 乳房にしこりがあるのですが乳がんでしょうか?
    乳房にしこりができる状態は乳がん以外にもいろいろあります(頻度的には乳がんでない場合のほうがはるかに多いです)。しこりがあるから乳がんであるということはありませんが、乳がんの可能性もありますし、乳がんでなくても治療が必要な場合がありますから、すぐに乳腺専門医を受診してください
  • 乳房に痛みを感じるのですが乳がんでしょうか?
    乳がんは痛みを感じない場合のほうが多いです。 ただし、痛むから乳がんでないということではありません。乳房に症状があるときはとにかく乳腺専門医を受診してください。
  • 乳がん検診で精密検査が必要と言われたのですが乳がんですか?
    乳がん検診では受診者の約5%が精密検査を必要とします。 そのうち乳がんが発見されるのは0.2%です。これは1000人乳がん検診を受けて、50人が精密検査を指示され、乳がんが見つかるのが2人ということです。つまり大部分の人はがんではありませんが、指示された場合は必ず精密検査を受けてください。
  • 乳房に症状があるのですが、次の検診まで待ったほうがいいでしょうか?
    乳がん検診は症状のない人が対象です。 乳房に何らかの症状がある人はすぐに乳腺専門医を受診してください。
  • 授乳中ですが胸がしこって痛みます。何科を受診すればいいでしょうか?
    無菌性乳汁うっ滞の場合は、赤ちゃんにしっかりお乳を飲んでいただくか、助産師さんに搾乳してもらうとよくなります。しこりが赤くはれたり、熱を持っている場合は治療が必要となりますので外科を受診してください。まれではありますが乳がんが原因で炎症を起こすこともあるので、できれば乳腺専門医を受診してください。
  • ある病院で乳がんと診断されました。診断、治療法、入院期間など確認したいことがあり、セカンドオピニオンを受けたいのですが…
    病院で何らかの治療を受けるときには、患者さん自身が十分に納得していることが大切です。最初の診断結果や治療法に納得できなかったり、あるいは念のために確認したいときは、積極的にほかの専門家の意見を聞くべきでしょう。セカンドオピニオンは、原則的にその病気の専門施設ならばどこでも受け入れてくれるはずです。ただし、いたずらにたくさんの人の意見を聞くことが、かえって迷いにつながることもありますので、乳がんという病気について、また診断や治療法などについて、ある程度、基本的な知識を持った上で受診してください。なお、できれば前医の資料を持参するほうがよいでしょう。
  • 最近乳がんと診断され、脇のリンパ節をすべて切除する必要があるといわれました。どうしても切除しなければいけないでしょうか?
    乳がんの転移は乳房に最も近い脇の下にあるリンパ節から起こることが多いので、手術の際はこのリンパ節を切除する場合があります。しかし、最近の乳がん手術は、乳房もリンパ節も切除する範囲を必要最小限に縮小する傾向にあります。この必要限度を判断する有力な手段が、「センチネルリンパ節生検」です。「センチネル」とは「見張り」という意味です。センチネルリンパ節は、乳がんが最初に到達するリンパ節とされ、ここに転移がなければ、脇のリンパ節転移はないと考えられます。従って、それ以上のリンパ節切除は不要です。担当の先生にもう一度ご相談されるか、乳腺専門施設で新たに意見を伺ってみたらいかがでしょうか。
  • 1年前に乳がんで手術を受けました。現在もがんの治療は続いていますが、健康食品も試してみたいと思います。いかがでしょうか?
    健康食品や民間療法に関する情報は、それらを利用することで体調がよくなったという体験談とともに盛んに紹介されており、試してみたいと考える患者さんは少なくないようです。しかし、いわゆる民間療法の効果は絶対的なものではありません。実際に、その作用や効果について科学的に証明されたものはほとんどないでしょう。中には、含まれる成分が治療に用いられる薬剤と反応して、思いがけない副作用をおこすこともあります。健康食品、民間療法を試してみたいのであれば、主治医や看護士さん、薬剤師さんなどと十分に相談してください。特に手術後の治療が続いている場合などは慎重に考慮しましょう。
  • 46歳の女性です。先日、他の病院で乳がんの手術を受けました。今、手術後の抗がん剤治療をすすめられています。受けた方がいいでしょうか?
    乳がんは、手術を行いがんが完全に取りきれたと思っても、30%前後の人に再発がみられます。再発のほとんどは、肺や骨、リンパ節などの手術した部位より遠く離れたところに現れます。これは、手術の前からがん細胞が血液やリンパの流れにのり、わずかでもすでに乳房以外の体のどこかに潜んでいるからです。術後の抗がん剤やホルモン剤投与はこのようながん細胞を抑制し、明らかに再発を少なくします。しかし、薬には多少の副作用があります。また、手術後の薬による治療は不要な場合もあります。主治医の先生と十分話し合い、納得して今後の治療を受けてください。
  • 検診で首のしこりを指摘され、ある病院で甲状腺乳頭癌と診断されました。この病気について教えてください。
    甲状腺がんは、1乳頭癌、2濾胞癌、3髄様癌、4未分化癌、5悪性リンパ腫など5つのタイプに分かれます。この中で最も多いのはご質問の乳頭癌であり、甲状腺がん全体の80~90%を占めています。その特徴はゆっくり発育することであり、何年たってもほとんど変化がないことがあります。したがって、一般的に“たちのよいがん”と考えてよいでしょう。しかし、ある時期から急速に進行し、非常にたちの悪いがんになることもあるので要注意です。また、乳頭癌は、甲状腺近くのリンパ節への転移が多いことも特徴のひとつですが、適切な手術によりほとんど治ってしまいます。専門施設での治療をお勧めします。
  • 授乳を始めて7ヶ月です。最近、右の胸にしこりを触れるのですが、乳がんでしょうか?とても心配です。
    母乳が出るころには、ミルクが何らかの原因で詰まり、その結果、お乳の管の一部が膨らんでしこりを作る時があります。乳瘤と呼ばれるしこりですが、もちろん乳がんとは違って良性であり、命には全く影響ありません。また、元々存在した良性のしこり(多くは線維腺腫)が、授乳期のホルモンの変化で、周りの正常乳腺の発達と同じように大きくなる場合もあります。このように授乳期のしこりの大半は良性で問題ありませんが、乳がんが存在することもあります。今回、あなたには超音波やマンモグラフィを使用した乳がんの画像検査を受けることを是非お勧めします。心配を抱えるよりも、しっかり検査することが、一番安心できる方法でしょう。
  • 数年前より左乳房に小さなしこりがあります。病院を受診し、すぐに手術を勧められました。どうすればよいでしょうか。
    乳房のしこりは、超音波、マンモグラフィなどの画像検査を行うとある程度良性、悪性の診断が可能となりますが、確実に診断するためには、細い針でしこりの細胞をとる(細胞診)ことが必要であり、これで診断がつかない時はもう少し太い針で組織をとる(針生検)ことになります。通常はどちらかでほとんど診断は可能となります。これらの検査で良性と判断できれば、基本的には手術をする必要はありません。したがって、手術よりも、まずは細胞診や針生検のほうを優先すべきでしょう。手術はこれらの検査でどうしても診断できない時に行います。もう一度担当の先生とよくご相談してください。
  • 右の乳房に2cmほどのしこりができて、ある病院で線維腺腫といわれました。手術は必要でしょうか?
    線維腺腫は若い女性に多い乳腺の良性腫瘍です。触ると、硬くて丸く、くるくるとよく動くビー玉のようなしこりであることが特徴です。しこりは3cm以上になることは少なく、時に自然になくなってしまう場合もあります。通常、痛みはありません。診断は、触診と超音波、マンモグラフィなどの画像検査、そして細胞診を行えばほぼ確実です。線維腺腫は、生命に影響のない良性の疾患であるため、基本的に手術の必要はありません。しかし、ごくまれに乳がんとの区別がつきにくい場合やしこりが急に大きくなって3cm以上になるような場合があります。その際には手術が必要となりますが、あなたの場合は経過観察でよいと思います。
  • 先日、右胸のしこりに気づきました。どんな病気でしょうか。また、男性でも乳がんになりますか。
    男性でも乳腺が腫れて、しこりを触れるようになることがあり、一般に“女性化乳房症”と呼ばれます。しこりは両側でなく、片方だけの場合もあり、原因として、薬剤、腫瘍、ホルモンの異常、外傷などがあります。もし、常用している薬があれば、その副作用について調べてみましょう。病院から処方されている薬でしたら、勝手に中止せず、担当の先生と相談して下さい。薬を変更するか中止することによって、薬剤性の女性化乳房症なら6ヶ月ほどで軽快します。なお、男性でも乳がんの可能性は否定できません。乳がんでないことを確認するためには超音波などの精密検査が必要ですので、乳腺専門外来を一度受診してください。
  • 乳がんを治療するときに”化学療法”という言葉をよく聞きます。化学療法について教えて下さい。
    抗がん剤を用いた治療を化学療法といい、注射薬と飲み薬があります。化学療法を使うのは、手術前にしこりを小さくする場合、術後の再発を防ぐ場合、もしくは再発したときなどで、治療は入院あるいは外来通院で行います。外来通院の場合、乳腺専門クリニックでは長時間の点滴の間、BGM、テレビ、リクライニング式チェアなどを設置したお部屋を用意するなど、ゆったりと過ごしていただくための対応もできるようになってきています。また、看護師は、点滴中のわずかな変化や薬の副作用に即対応できるように、常に患者さんの近くにいます。一口に乳がんといっても、いろいろなタイプがあります。個人個人に適した乳がんの治療法を主治医とよく相談し決定してください。
  • 胸に6cmのしこりがあり、乳がんと診断されました。乳房切除を勧められましたが、乳房を残す治療は可能でしょうか?
    ある程度大きくなった乳がんに対しては、基本的に乳房切除術が勧められます。ただ、最近は手術前に抗がん剤を使ってがんを小さくすることで乳房を残せるようになってきました。この方法は、術前化学療法と呼ばれ、外来で治療が可能です。しかし、抗がん剤には副作用があることやすべてのしこりが小さくなるわけではなく、その効果には個人差があります。私たち看護師は、チーム医療の一員として治療中の不安や副作用などの苦痛・不快感を少しでも解消できるように、情報を提供しながらサポートしていきます。何よりも患者さんご自身が納得して手術を受けることが必要です。担当医の先生とよく相談し、治療を選択してください。
  • 乳がん検診は何歳ぐらいから始めたらよいのでしょう?また、乳がんセルフチェックについても教えてください。
    乳がんは、自分で乳房を観察することがきっかけとなって、発見することのできる病気です。そして、少しでも早い段階で治療を開始すれば、根治する可能性が高いがんです。したがって、30歳を過ぎたら、早期発見のためにも、ぜひ定期的に乳がんセルフチェックを開始してください。なお、乳がんが多くなるのは40歳を過ぎてからです。40歳を過ぎたら、乳がんセルフチェックに加え、病院あるいは検診施設でマンモグラフィ(乳房のX線撮影)を受けることをおすすめします。ご家族に乳がんの方がいる、あるいは良性のしこりがあるなどや乳がんの危険性が高い方、不安な方などは1年に1回は受けることをおすすめします。
    乳がんセルフチェックは乳房の張りが少なくなる月経終了1週目ごろ、入浴時に行いましょう。体に石鹸をつけ、洗顔の要領で指をそろえ乳房をまんべんなく、肋骨を感じるような強さで撫でます。このとき必ず右の乳房は左手で、左の乳房は右手で調べます。すべらした指に何かひっかかる感じがしたら、要注意です。ただし、この方法は、大きな乳房の人には、わかりにくいかもしれません。そういう人は検診する方の腕を挙げるか、湯船につかりながら行ってください。石鹸を流したら、鏡に向かって両手を挙げ、えくぼがないか、皮膚の色が変化していないか、乳首が横を向いていないかなどを確かます。最後に、乳首を指でしぼり、分泌液がないかを確認すれば終了です。もし、なにか気になることがあれば、早めに専門病院で検査を受けてください。
  • 最近、右胸のしこりに気づきました。乳がんでしょうか?自分で触って、がんか、がんでないかを見分けることはできますか?
    自分でしこりを見つけた場合、そのしこりが乳がんであるか、あるいはがんとは違う良性の病気であるかを、見極めるためには、いくつかの検査を行う必要があります。触っただけでは、専門医であっても、乳がんによるしこりなのか、その他のしこりなのかを簡単に区別できないことがあります。したがって、触った感じ、見た感じなどで安易に自己判断をしないでください。あなたの場合、世間でよく言われる乳がん年齢に達しています。自分のためだけではなく、あなたの周りの人たちのためにも、ぜひ専門医を受診し、きちんと検査を受けて、正確に診断してもらってください。
  • 乳がんになりやすいのはどんな人でしょうか?また、ならないようにするにはどうすればよいでしょうか?
    表に示した8つの因子を持つ人が乳がんになりやすいと考えられています。しかし、これらの項目にあてはまることが多いから必ず乳がんになるわけではなく、ゼロであっても絶対大丈夫というわけではありません。残念ながら、乳がんはどんな人でもなる可能性があり、ならない方法はありません。今、日本人女性の30人に1人は生涯の間に乳がんになるといわれています。実際、1年間で乳がんと診断される方は約3万人、死亡する方は約1万人であり、乳がんはわが国の壮年層(30~64歳)女性のがん死亡原因のトップになっています。しかし、乳がんは、しこりが小さいうちに見つけて治療すれば90%近くは治る病気であり、決して怖い病気ではありません。そのためには、日ごろから自己検診を行うこと、マンモグラフィ(乳房専用のX線装置)、超音波などの画像診断による検診を1年に1回定期的に受けることをお勧めします。ただし、自分でふれて気になるしこりや症状がある場合は検診を待たず、すぐに乳腺専門医のいる医療機関を受診してください。なお、乳がんは女性特有の病気なので受診は“婦人科”と思っている人が多いようですが、通常、外科(乳腺外科)で診療を行っています。病院によっては婦人科、放射線科の場合もありますが、基本的に外科(乳腺外科)を受診してください。

    [表] 乳がんになりやすい人
    • 年齢40歳以上
    • 30歳以上で未婚
    • 初産が30歳以上(あるいは出産経験がない)
    • 閉経年齢が55歳以降
    • 肥満(特に50歳以上、標準体重の50%以上)
    • 良性の乳腺の病気になったことがある
    • 家族(特に母、姉妹)に乳がんになった人がいる
    • 乳がんになったことがある
  • 母親が2年前に乳がんにかかりました。私も乳がんになるのではととても心配しています。
    親、姉妹、子供などが乳がんにかかられた場合には、そのご家族の方は乳がん検診を定期的に受けられる方がよいと思います。なぜなら、ご家族にがんの病歴がある方は、ない方よりも統計上乳がんにかかる確率が高くなるからです。あなたには、視触診だけではなくマンモグラフィや超音波などの画像を用いる検診をお勧めします。20歳代では、視触診と超音波検査だけでも充分かもしれませんが、将来比較できるように元となるマンモグラフィを残しておくことは重要でしょう。なお、30歳代になったら、年1回の乳がん検診を開始した方がいいかもしれませんね。検診は乳腺専門医療機関で行うことをお勧めします。
  • 乳がんと閉経の時期は関係ありますか?教えてください。
    ご質問のとおり、乳がんは卵巣機能が低下する閉経と何らかの関連があるものと考えられます。日本での乳がん罹患率を年齢別にみると、30歳代から増え始めています。そして、閉経前後の45~50歳あたりにピークを迎え、その後は80歳くらいまでほぼ一定で推移しています。このように、乳がんは閉経期、または閉経後に発症すること、また体内のホルモンの影響を受けやすいがんであることから閉経状況と関係があると考えられます。一方欧米では日本と異なり、閉経前より閉経をした後の50歳~80歳に乳がんのピークがあります。なお、最近の日本の乳がん罹患率は徐々に欧米のパターンに近づきつつあり、今後は閉経後の乳がんが増加するかもしれません。
  • 乳房に異常を感じたときはどの科を受診したらよいのでしょうか?
    現在、日本で乳がんを主に担当しているのは外科です。ただ、外科の中でも乳腺はやや特殊な領域であり、受診されるのなら乳腺外科の専門医のいる所が最もよいでしょう。外科以外では、産婦人科や放射線科などでも診療を行っている施設があります。乳腺疾患の診断には専門の知識と乳房X-線撮影(マンモグラフィ)や超音波などの設備が必要なため、それらの整った施設を受診されることをお勧めします。現在、日本乳癌学会のホームページでは、乳腺専門医の氏名、所属施設などが公表されていますので、それを参考にすればよいと思います。
  • しこりは触れませんが、最近、乳首から血液の混じった液が出ています。どんな病気があるのでしょうか?
    乳首より血液の混じった液が出るときは、乳がんのような悪性疾患と乳管内乳頭腫、乳腺症などの良性疾患の場合があります。悪性と良性の鑑別のためには、分泌液の細胞診や超音波、マンモグラフィ、乳管造影などの画像検査、乳管内視鏡などが必要です。異常分泌の原因として最も多いのは、良性の乳管内乳頭腫ですが、この場合は手術により完全に治すことができます。あなたの場合はしこりがないということなので、乳がんとしても、ごく早期の乳がんと考えられます。この場合も、適切な治療を行えばほぼ治癒しますので、乳腺専門医を受診されることをお勧めします。
  • 最近、乳首から白い液や透明な液が出ます。がんでしょうか?
    診察してみないと分かりませんが、乳首から白色の分泌液があってもがんとの関連は少ないと思います。わずかな量であれば、正常な人でも分泌はみられますので心配ありません。しかし、妊娠や授乳に関係ない時期に白いミルク様の分泌がたくさん出る場合は、服用している薬の副作用やホルモンの影響などが考えられますので診察が必要です。乳首からの分泌で心配なのは、血液の混じったときであり、赤かったり、黒かったり、茶色だったりと色々です。この場合はマンモグラフィや超音波を使って、乳腺に異常がないことを確認することが大事です。症状が悪化したり、変化が現れるようでしたら、乳腺専門の医療機関を受診する事をお勧めします。

乳房の痛みについて

  • 乳房に痛みや張り感があり、特に生理前には痛みが強くなります。このような症状は乳がんと考えるのでしょうか?教えてください。
    痛みや張りは、乳腺外来で最も多い症状です。しかし、乳がんの症状として、痛みが密接に関わることは意外と少なく、良性の変化である乳腺症が第一に考えられます。乳腺症の特徴としては、生理前に痛みが強くなり、生理が始まると和らぐなどの周期性があります。この他には乳腺の炎症も考えられますが、この場合は、皮膚に赤みや熱感が見られます。しかし、痛いという症状だけで乳がんが発見された方もおり、詳しく検査をする事が最も重要です。自己判断はせずに、乳腺専門施設で、マンモグラフィ(乳房専用X線装置)や超音波検査などを受けられることをお勧めします。
  • 乳がん検診で乳腺症といわれました。乳腺症について教えてください。
    乳腺の病気の中で、最も多い良性の病気です。といってもホルモンの影響による女性特有の変化であり、病気というより生理的なものです。未婚女性や授乳経験のない30~40歳代に多く見られます。症状としては乳腺に凸凹のある境界不鮮明なしこりをつくり、そのしこりが生理前に張ってきたり、痛みが強くなってきたりします。しかし、皮膚が赤くなったり、へこんだりするような変化は見られません。通常、治療の必要は全くありませんが、痛みがひどい場合には、薬物治療を行うときもあります。なお、触れただけでは乳腺症と乳がんは区別がつきにくい場合があります。したがって、乳腺症といわれたら超音波、マンモグラフィなどの精密検査を是非受けてください。
  • 乳房の痛みが心配です
    乳房の痛みを心配して来院される方が、当院にも多くいらっしゃいます。生理の前などに張って、乳房全体に痛みを感じる場合は一時的な女性ホルモンの変化による痛みと考えられます。また、生理の周期と関係なく痛みが起こることもあります。左右の乳房のどちらか、一部だけが強い痛みを感じる、という場合もあります。痛みの多くは、治療を必要としない、乳がんとは関係のない痛みです。しかし、痛いから乳がんではない、とか乳がんは痛くないという断定は危険です。乳腺症(乳房の痛みの原因となる良性の所見)に乳がんが合併している場合や、炎症性乳がんという特殊な乳がんの場合は痛みを伴います。また、乳腺症とよく混乱される『乳腺炎』は授乳中に多く、痛みに伴って局所が赤くなったり熱を持ったりします。高熱が出ることもあります。授乳期ではなくても乳腺炎になることもあります。
  • 乳房が痛いのですが、どうしたらいいですか?
    初期の乳がんと痛みの関係は必ずしもありませんが、長く続く場合は念のためご受診ください。

乳房温存について

  • 先日、ある病院で乳がんといわれました。乳房を全摘するのか、残すのか、迷っています。乳房温存手術は希望すれば誰でも受けることができるものでしょうか?
    残した乳房にがんが再発する可能性が小さい場合には、乳房温存術の適応といっていいでしょう。しこりの大きさとしては、3cm以下が乳房温存術の一応の目安ですが、しこりの数、広がり、乳房としこりの大きさのバランスなども参考にして、術式は決定されます。しこりが大きい場合には、手術前に予め制癌剤などの治療を行って、しこりを小さくしてから乳房温存術を行うこともあります。乳房温存術を行う場合は、残した乳房にできるだけ再発しないように十分考慮すべきです。したがって、すべての人が乳房温存術を受けられるとは限りませんので、その点はご理解ください。
  • 乳房温存療法について教えてください。
    “乳房温存療法”は、しこりをくりぬく乳房部分切除、脇のリンパ節を取るリンパ節郭清、残した乳腺への放射線治療の三つの方法からなるもので、女性の象徴である乳房をできる限り残し乳癌を根治しようとするものです。現在、早期乳癌ならば、乳房をすべて取る乳房切除術でも乳房温存療法でもその成績には差がありません。ただし、しこりをくりぬいても残した乳腺にできるだけ癌が残らないことが大切であり、マンモグラフィ、超音波、乳房MRIなどで乳房内の癌の広がりを手術前に正しく把握することが重要です。また、脇のリンパ節は転移がなければ取る必要はなく、最近では色素などを利用して手術中にリンパ節転移の有無を診断できるようになっています。放射線治療はどのような人が受けなくてよいかまだ分かっておらず、原則として受けるべきです。